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ピエール瀧はどんぐりおじさん

vol.97 印を結んでヤーッ!!

WE! 2012年8月号掲載



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ここのところ我がイルボン共和国では大規模な災害が多発しています。
東北大震災は言わずもがなですが、それ以外にも異常以上レベルの洪水、住宅地を襲う竜巻、広範囲に火山灰をまき散らす火山の噴火(新燃岳)等、人間の生活をおびやかすような惨事が頻発です。
この原因は、地球温暖化による気候変動だとか、太陽フレアによる影響だとか、大国の陰謀だとか、様々な説があります。しかしオイラが思う原因はコレ。ズバリ「今、国家レベルの陰陽師がいないのでは?」です!
これらの災害がもし平安時代とかの出来事でしたら、間違いなくハイレベルの陰陽師出動となるでしょう。しかも国家指導者の勅命によって。
おそらく大規模な祈祷の場が用意され、数日間に渡って、鬼やダークエナジーを鎮めるための祝詞が読まれ続けるに違いありません。そして最終日には「これで向こう千年鬼退散!」的な結界を張ったりしていた事でしょう。
こんな事を言っていると「アイツ今頃になって陰陽師の映画見た?」とか「瀧がオカルトづいてる、キモッ!」とか「非科学的な事を言うヤツは要注意」だとか言われそうですが、それも仕方がありません。だって現実に科学の力が追いついていない訳ですから。
結局今現在の科学の能力では、原因は解明できても、その原因が次に発動する瞬間までは予知できません。「コレコレこういう理由で地震や竜巻が発生しました」という風に原因は判明するのですが、それらが次にいつ起こるかは予見できないのです。
陰陽師や宗教的なモノには現象科学としての側面はありませんが、しかし少なくとも精神科学としての側面はあると思います。
言いかえれば大いなるパワーに対して「やれるだけの事はやった」という心の安定をもたらしてくれるモノなのでしょう。大自然という到底扱いきれない対象はあまりにも強大すぎるのです。
結局人間というものは、己に不幸な出来事が起こると、何か(もしくは誰か)のせいにしないとやっていけない生き物のようです。きっと自分があまりにもちっぽけすぎて、そうでもしないと不安になってしまうのでしょう。
そして今、その“誰かのせい”を、オイラは陰陽師のせいにして、心の平穏をキープしようとしている訳です。そして残念な事に、現実問題として天災に対する人類の備えとしては、今も平安時代もそう変わらないという事です。